今回は、人の視線の向きに関するお話をしていきます。これは私が営業職に就いていた時に出合った理論です。必ずしもすべての人が当てはまるわけではありません。そんな傾向がありますというお話です。
視線から得られる情報
「会話をする時は、相手の目を見て会話をしましょう」
幼い時からよく聞く言葉ですね。あなたと話をしていますという意思表示でもあり、とても大事なことです。そしてそれは、日常生活でも営業活動内でも同じでした。それだけ、人間の視線には様々な情報が含まれているのです。
私は営業職で、毎日多くの方々とお話をしてきました。その中で、ある時気づきます。なにかを思い出そうとしている時は、左を見る人が多い気がする。なにかを想像したり、作り話をしている時は、右を見ている人が多い気がする。
なんとなく自分の法則として気に掛けていた時、ある本に出合いました。
その本にあったのは、こんな内容でした。
人間はどんな情報を処理しているかによって、どこに視線を向けるかが変わる。それは無意識であり脳の働きを活発にするためのものなので、本人が気づくことは少ない。そして利き手によってそれが左右逆になることもあるし、全く当てはまらない人もいる。
自分が感じていたことが体系的にまとめられていて、時間が経つのも忘れて食い入るように読んだことを覚えています。
視線の向きと思考の傾向
簡単にまとめると大きく以下のような違いがあるようです。左右は、右利きの人を基準にして書いています。
自分で試してみると、当てはまる部分も感じられるかもしれません。
営業活動で確認&活用
次の日からそれまで以上に、相手の視線と利き手を確認するようになりました。相手の利き手は、ペンを持つしぐさなどで確認していました。
会話の中で前日の出来事(過去)や、今週末の予定(未来)など、それとなくいくつか話題を振ってみます。それで大体は右向きなのか左向きなのかが分かるんです。すべての人に当てはまるわけではありませんでしたが、体感で7~8割の方は当てはまっているように感じていました。
これが分かると、相手への理解が格段に進みます。
私がニュースの話をした時に右横を見る相手は、そのニュースのことは知らないで私に話を合わせているだけだと分かります。商談内容について、迷っている場合は左下を見ますし、気に入っている場合は右上を見ることが多くなります。
そして、断ることを決めているのに断り文句を探している場合は、右横を見ています。作り話をしている時もです。
これは凄く面白かったですし、私自身が話す内容が相手にどう伝わっているかの良い目安になりました。なにより相手が断ろうとしているのに話を続けるという、お互いが得しない時間が減ったことはとてもありがたかったです。
いわゆる「しつこい営業」になってしまうのを防げるのは、一番良いことでした。
日常でも使えます
これは日常生活でも結構役に立ちます。自分の店舗スタッフと話をしている時や、研修をしている時も重宝しました。この理論の究極形が、「目が泳ぐ」という状態なのかもしれません。情報が処理しきれてないんだろうなと思うと、ちょっと笑ってしまいます。ぜひ、職場の方と話す際や友人と話す時などに活用してみてください。
ただ、注意点として
これは強調させてください。私の場合、この理論に出合った時点で自分自身が理論とは左右逆だったので、過信しすぎることなく活用できました。
まあ今思い返してみれば、その時の自分の認識に反して、私が左利きだったからなんですけど。
相手を理解することと同じくらい、自分自身を理解することは難しいことなのかもしれません。
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